25 May 2013

二見興玉神社と夫婦岩

Location 日本, 三重県伊勢市二見町江575
二見興玉神社
(三重県伊勢市二見町江575鎮座)

二見浦(禊浜)
御塩殿神社参拝後、風光明媚な風景を眺めながら二見浦をのんびりと歩く。
穏やかな天気で、潮風が心地よかった。

さて、二見浦一帯は「清き渚」と呼ばれ、古くから禊浜ともいい、伊勢神宮を間近にひかえた人々がその浜辺で汐水を浴び、心身を清め禊祓いをされた禊場だった。
この浜を済ませてから、伊勢神宮へ参拝していったという。

鳥居
御塩殿神社から禊浜を歩くこと約20分で二見興玉神社へ。
本神社の御祭神は、猿田彦大神、宇迦御魂大神。
また、境内社 龍宮社の祭神として綿津見大神、栄野神社の祭神として大若子命が祀られている。

二見蛙
本神社の神使はカエル。
なので、鳥居前には狛犬ならぬ狛蛙が置かれている。

二見興玉神社社殿
本神社は、夫婦岩の間から差し昇る「日の大神(天照大神)」と、夫婦岩の沖合700メートルの海中に鎮まる猿田彦大神縁りの霊石と伝えられている「興玉神石」を拝する神社。

猿田彦大神については
椿大神社阿射加神社(大阿射加小阿射加の項でご確認の程を。

左:日の出神拝所 右:天の岩屋

天の岩屋は、宇迦御魂大神(豊受大神宮の祭神~豊受大神の別名)を祀っている。
宇迦御魂大神は石神と申され、日の出の対し日の入(隠れられた処)、天照大神と豊受大神という関係と伝えられている、とのこと。

海に目を遣ると、起伏に富んだ伊勢の大海を背景に夫婦岩が坐している。
夫婦岩は、左より獅子岩、烏帽子岩(蛙岩)、屏風岩、男岩、女岩から成る岩群。

男岩と女岩との間に注連縄が張られているが、これは日の大神(=太陽、天照大神)と猿田彦大神縁りの興玉神石を遥拝する鳥居の役目をしているという。

夫婦岩
男岩の高さは9メートル。女岩の高さは4メートル、注連縄の長さは35メートルという。
鳥居の間から朝日(天照大神)が御来光することができ、さらに日によっては富士山も拝むことができる。

烏帽子岩に陣取る海鳥。
気持ち良さげに日向ぼっこをしているかのようですね。




二見浦駅ホーム
ということで、名古屋・熱田神宮に始まった伊勢巡りの旅はこれにて終了。
中身の濃い(濃すぎる?)巡礼で、ぐったりしておりました・・・。
機会があれば、この地を再訪してのんびりと巡ってみたいと思います。
次回以降は、熊野か道奥かのどちらかについてでも・・・。

御朱印

18 May 2013

皇大神宮所管社 御塩殿神社と御塩焼固神事

Location 日本, 三重県伊勢市二見町荘2029
皇大神宮所管社 御塩殿神社
(三重県伊勢市二見町荘御鎮座)

「お伊勢」巡り最終章は、二見町にある御塩殿神社。
JR参宮線で二見浦駅で下車して歩くこと15分程で、伊勢湾二見浦の海岸脇に坐する御塩殿神社に向かうことができます。

御塩殿外観
境内に入ると多くのマスコミが御塩殿附近にいた。偶然にも御塩焼固神事が執り行われていたのである。

皇大神宮所管社で、伊勢神宮に神饌される堅塩を作っている。
所管社とは御正宮や別宮に直接かかわりがあり、井戸や酒、米、塩、麻、絹など衣食住をつかさどる神々が多く祭られて、供進されている。

当ブログで、神麻続機殿神社(荒妙~麻布のこと)神服織機殿神社(和妙~絹糸のこと)について記述していますのでご参照の程を。

御塩殿
御塩殿神社
祭神:塩筒翁神
域内に皇大神宮の御料の御塩を調製する御塩殿、御塩焼所、御塩汲み入れ所があります。

御塩殿内
御料の御塩は、夏の土用に町内の西地内にある御塩濱から運ばれた塩分の濃い海水を御塩汲み入れ所におさめ、これを御塩焼所で荒塩に焼きます。
さらにこの荒塩を毎年三~四回、御塩殿において三角形の土堝をもって堅塩に焼き固めて、これを御料に供えています。
なお、御塩の調達は昔から神領二見郷の住民が奉仕しております。
(二見町教育委員会石碑より)

御塩焼固された御塩
神宮のすべてのお祭りにお供えする御塩を御塩殿神社に隣接する御塩殿において10月と3月の2回、荒塩を三角錐形の土器につめて、舞錐(古来からの火起器)で起こした火である忌火を使って堅塩に焼固める。

三角錐の形をした堅塩。
このような神事を目前で拝むことができるなんて、何と幸運だったのだろう?

正殿
御塩殿の脇には正殿。
祭神は御塩殿鎮守神が祀られているが、社前の石碑には塩筒翁と記されている。
塩筒翁といえば、陸奥國一宮~鹽竈神社・志波彦神社
(当Blogリンクです。)

御塩殿の裏を進むと二棟の独特な建物が。
松林の先には、二見浦を臨むことができる。

左:御塩焼所 右:御塩汲入所

塩焼所は海水(かんすい)を鉄鍋で煮込み、粗塩を得る施設。
御塩汲入所は御塩浜から運ばれたかんすいを壷で保管する倉庫。

ちなみに二棟の建物は天地根元造という造りという。

二見浦
神社背後の二見浦へ。
柔らかい春の日差しがとても心地良かった。

これにて、お伊勢巡りは終了。
次回は、二見浦に坐するお社です♪

15 May 2013

皇大神宮所管社 神服織機殿神社 和妙(絹糸)を調進する社

Location 日本, 三重県松阪市大垣内町240
神服織機殿神社
(三重県松阪市大垣内町御鎮座)

鬱蒼とした社叢と鳥居
前回の神麻続機殿神社に続いては、絹糸をご調進されている神服織機殿神社についてです。

参道の周りには多くの巨木が自生している
伊勢神宮には皇大神宮(内宮)と豊受大神宮(外宮)を御正宮として、14社の別宮、そして摂社、所管社等を合わせると計125社の宮社で成り立っており、その中で所管社は御正宮や別宮に直接かかわりがあり、井戸や酒、米、塩、麻、絹など衣食住をつかさどる神々が多く祭られています。

神服織機殿神社 境内
鬱蒼とした森の中を抜けていくと、広い境内の中にポツンと藁葺の社殿が坐している。
「神域」を感じさせてくれる風景に感動。

左:正殿 右:八尋殿


祭神は神服織機殿鎮守神といい、神御衣祭に供進される和妙(にぎたえ・絹糸)を奉職する御機殿の鎮守の神のこと。服部の祖先の天御桙命と天八千々姫とする伝承がある。

写真右の八尋殿は「神さまの絹糸を紡ぐ作業場」。

末社群

社地には小社殿ながら、所管社の神服織機殿神社末社八所、祭神は神服織機殿鎮守御前神がご鎮座されている。
また、通称「下機殿」と呼ばれている。

上機殿で奉職されているのは荒妙(麻布)で、男性の織子が織機で織っている。
対して、下機殿で奉職されているのは和妙(絹糸)で、女性の織子が織機で紡いでいる。

和魂荒魂の考えが強く生きているのですね。

参道
機殿神社は二社とも緑深く美しく、とても心に響いたお社でした。

次回は、御塩(みしお)を調進する所管社・御塩殿神社です☆

12 May 2013

皇大神宮所管社 神麻続機殿神社 荒妙(麻布)を調進する社

Location 日本, 三重県松阪市 県道706号線
神麻続機殿神社
(三重県松阪市井口中町御鎮座)

神麻続機殿神社 社叢
伊勢神宮には皇大神宮(内宮)と豊受大神宮(外宮)を御正宮として、14社の別宮、そして摂社、所管社等を合わせると計125社の宮社で成り立っており、その中で所管社は御正宮や別宮に直接かかわりがあり、井戸や酒、米、塩、麻、絹など衣食住をつかさどる神々が多く祭られています。

すべての社は流石に巡っておりませんが、麻や絹、そして塩をつかさどる神社を訪ねましたので、ご紹介を。

鳥居
まずは、麻を司る神さまを祀る神麻続機殿神社について。
櫛田川沿いの田畑の中にこんもりとした鎮守の森が印象的。

参道
参道は森の中に迷い込んだかのように鬱蒼としており、静寂に包まれている。

鳥居と八尋殿
長い参道を抜けると広い境内の中にポツンと二殿の社殿が。
光が境内の中に照らされて実に美しい。
社殿周囲に敷きつめられたお白石のコントラストも素晴らしい。

左:正殿  右:八尋殿

祭神は神麻続機殿鎮守神といい、神御衣祭に供進される荒妙(あらたえ・麻布)を奉職する御機殿の鎮守の神のこと。尚、麻績部の祖先の天八坂彦命とする伝承がある。

写真右の八尋殿は「神さまの麻布を織る作業場」ということなのです。

末社群

御機殿は八尋殿(やひろでん)といい、向かって右の萱葺の建物。
社地には小社殿ながら、所管社の神麻続機殿神社末社八所、祭神は神麻続機殿鎮守御前神)がご鎮座されている。
また、通称「上機殿」とも呼ばれている。
(後で紹介する神服織機殿神社を下機殿とも呼ばれいる。)

櫛田川流域
尚、八尋殿で作業しているのは男性の織子。
次回の「下機殿」神服織機殿神社は女性の織子が作業されている。

ということで、次回は通称「下機殿」についてです♪

9 May 2013

皇大神宮別宮 伊雑宮 「志摩国の神宮」

Location 日本, 三重県志摩市磯部町上之郷374
皇大神宮別宮
伊雑宮
(三重県志摩市磯辺町上之郷御鎮座)

別宮巡りの最終回です。
さてさて、鳥羽から近鉄志摩線に乗り換えて上之郷駅で下車し、歩くこと数分の位置に皇大神宮伊雑宮が鎮座している。

楠の巨木
境内に入りまず目を奪われたのが、宿衛屋脇に生い茂っている巨木。
根のコブは膨れ上がる程成長し、そして捻じれながらも天に向かって延びている。
木に宿る生命力の力強さにただただ感服。

左:祓所 右:境内脇を流れる小川の近くにあった井戸

伊雑宮は皇大神宮の別宮で瀧原宮と同様に古くから「天照大神の遙宮」と称せられている。
御祭神は天照坐皇大御神御魂。
伊勢神宮で唯一、伊勢国以外に鎮座しており、志摩国一宮にも比定されている。
(もう一社は伊佐波神社)

忌火屋殿
当宮の創祀は約二千年前の第十一代垂仁天皇の御代、皇大神宮御鎮座の後、倭姫命が御贄地(皇大神宮へ奉る御供物を採る所)をお定めになるため、志摩国を御巡行の際に、伊佐波登美命が奉迎して、この地に当宮を創建して、皇大御神の御魂をお祀りしたと伝えられている。

伊雑宮に奉納する米の田植を毎年6月24日に行なう御田植式(磯部の御神田)は、香取神宮・住吉大社とあわせて日本三大御田植祭とされている。

御社殿
鬱蒼した木々に囲まれた参道をしばらく進むと、光が差した御社殿が姿を現す。
神々しく感じる瞬間です。

本宮には色々と諸説があるようですが、佐美長神社や志摩地方をもっとゆっくり巡っていれば、地理的・歴史的理解が深められたのに・・・と少々後悔。

ということで、伊勢神宮別宮巡りはこれにて終了ですが・・・
次回以降も伊勢神宮のお社巡りです(笑)

御朱印


5 May 2013

皇大神宮別宮 瀧原宮 ~伊勢神宮内宮の原形

Location 日本, 三重県度会郡大紀町滝原1123
瀧原宮 瀧原竝宮
(三重県度会郡大紀町滝原御鎮座)

乗換駅の多気駅ホーム
伊勢神宮の各宮を参拝後、伊勢市駅から参宮線、紀勢本線を乗り継いで、JR滝原駅へ。
いかにもローカルな路線で、移りゆく車窓からの景色を眺めながらスローな気分に浸る。

左:宮川支流の渓谷  右:瀧原宮への参道

滝原駅に下りた先にある架け橋からみた宮川支流の渓谷。
水が青くとても神秘的。

瀧原宮は、西国二十三所の巡礼を志した巡礼者が、伊勢の大神宮にお詣りしてから、熊野の大一番礼所を目指し歩む「熊野街道」が社前を通るお宮。

鳥居
鳥居の先は、一直線に伸びた緑深き参道。
静まり返った社域は正に神域の佇まい。

御手洗場
皇大神宮(伊勢神宮内宮)同様に御手洗場の清流で身を清める。

尚、山を背後に南面し、前方には川が東から西へ流れる枝川があり、それが南北へ流れる大川に落ち合うT字型の地勢から皇大神宮(内宮)の雛型になったとする説がある。

参道
そして圧巻だったのは、参道の所々に自生している杉の巨木。
広大な自然林の社叢には、生命力に満ち溢れていて心が鎮まる。

滝原宮、滝原竝宮社殿
緑深き社叢を抜けると、二つの社殿が厳かに坐していた。
とても神秘的な佇まいにただただ感動・・・。

瀧原宮
瀧原宮、瀧原竝宮は、ともに皇大神宮の別宮で、昔から「大神の遙宮」と言われている。
御祭神はいずれも天照坐皇大御神御魂。

第十一代垂仁天皇の皇女倭姫命が、御杖代(御使い)として天照坐皇大御神(八咫鏡)を奉戴して、宮川下流の磯宮を出発し、上流の方に進むと、砂をも流す急流の瀬があり困っておられたので、真奈胡神がお出迎えをしてお渡しした。

瀧原竝宮

倭姫命はさらに真奈胡神の案内で進むと「大河の瀧原の国」という美しい土地があったので、この地に草木を刈り払って新宮を建てられたのが起源という。

ちなみに、倭姫命を渡した地には真奈胡神をまつる御瀬社は、皇大神宮摂社多岐原神社で、大紀町三瀬川の宮川を臨む断崖の上に設置されている。


左:瀧原竝宮 右:瀧原宮
瀧原宮・瀧原竝宮とも皇大御神の御魂を奉斎しているのは、皇大神宮に皇大御神を奉祀し、同別宮荒祭宮に皇大御神の荒御魂を奉斎する姿の古い形と考えられている。

左:御船倉 右:若宮神社
瀧原宮、瀧原竝宮の横に坐するのは、若宮神を祀る若宮神社と御船代を納めている御船倉。
御船代とは御神体を納めた御樋代を入れて神殿に安置する器のこと。

長由介神社
そして、境内東脇に鎮座するには長由介神社。
長由介神と川島神を祀っている。

東方の古殿地(式年遷宮のための敷地)に立つ巨木。
境内に自生する木々の中で、最も力強く立っていたように思える。

心地良いせせらぎ
「伊勢神宮」の中で一番印象に残るお宮は?と尋ねられたら、迷わず「瀧原宮」と即答してしまう程、心に強く強く響いたお宮でした。

レトロな宇治山田駅舎
帰路は、路線バスを使って(この手段しかなかった)松坂市経由で、宇治山田駅へ。
すっかり夕暮れに包まれ始めておりました。

次回は、皇大神宮別宮~伊雑宮です♪

御朱印